「本日のメニューは宮中料理です。
メインは宮中シンソンロ (宮中鍋) とアワビ、高麗人参を添えたカルビチムです。」
「そうですか、おいしそうですね。よし、1度食べてみましょう。はっくしょん」
珍味のおかゆが出てきた。
男性は一口食べて首をかしげた。
カルビチムが出てきた。
柔らかいカルビチムに薬味をのせて一口かぶりついた。
その後、再び手をつけなかった。
シンソンロが出てきた。
丸い鍋に美しい食感、自ずと感嘆が出た。
スープを一度飲んでスプーンを置いた。
そして店員を呼んだ。
「味がなぜ一様にこうなのですか?」
「はい?」
「美味しくないってことです。食べたい物が1つもない。
物足りなくて、何を食べても区別もつかないから…はっくしょん。」
店員はびっくりして、急いで了承を得て、味見した。
そして驚いたウサギの目をして、男性を見た。
「あの…とても美味しいのですが?」
「え? 美味しいって?」
男性はもう一度料理を食べてみたが、すぐさま頭を振った。
「何が美味しいっていうんですか。」
「私が食べた物の中で一番美味しいです。」
「それなら、私が嘘でもついてるってことですか。」
男性は店員の言葉に一層腹が立ち、息巻いた。
「この物足りない物のどこが美味しいって言うんだ! はーっくしょん。」
男性は赤くほてった鼻を力いっぱいかんで不満そうな表情だった。
店員は心の中でため息をついた。
「まずいというのも当然だ。
美味しい料理でも、食べる人が健康でこそ本来の味を感じられるのさ。」
聖三位が心を込めて準備したご馳走のような御言葉でも
自分の考え、 自分の信仰が健康であってこそ、御言葉の本来の味を感じることができる。