春から雨風が吹きつけ
バケツをひっくり返したように降り注がれた雨は
お前 紅葉を咲かせるためだったのだな
空は高く青々しく
千里万里まで
お前の美しさが見える
春の花のような香りは放っていなくても
心に沁み入るほのかな香りを
深く漂よわせているのだな
紅葉もひと時の花だ
初秋に咲き始め
晩秋に入ってから
はらはらと落ちてしまう花
季節の調和
自然の風の調和
色彩原理の調和だ
神の季節の法則に従って
はらはら 冷たい風に
皆 落ちて
あちらこちらに舞うだろう
人生も花だ
華麗で輝かしい花
富、栄華、名誉、権勢、花のような青春も
北風寒雪が吹き付ける冬が来るように
人生も死の冬が差し迫ってくる
しかし冬が過ぎれば
未来の季節がある
その時 川を渡りあの国に行った後は
散らない花になり 永遠に生きるだろう