言葉でしか聞いたことがない荒野
どうしてあんなにも
東から西まで
青い木 一本
草 一本ない
不毛の荒野だろうか
ああ、寂しい荒野
ああ、孤独な荒野
ああ、蒸し暑い荒野
ああ、索漠とした大地なのだな
雲のない空
雨のない地なのだな
神様のいない心
寂しい荒野のようで
不毛の砂漠のようだな
神様は
砂漠の中の泉のようで
荒野に止めどなく注がれる雨のようだ
この荒野に雨が降るならば
山と野原に山川草木(さんせんそうもく)が生い茂るだろう
神様は
恵みの慈雨を注いでくださり
荒野のような私の心 あなたの心に
山川草木が生い茂るようになさった
だから理想世界になったのだ
‐1994年8月26日 モハーヴェ砂漠を見て
Translated by Kimata