「パソコンやめて、早く来てご飯食べなさい。」
お母さんが呼ぶ。
私はパソコンの前でやっとのことで立ち上がる。
「何の本を読みながら食べようかな?ハリーポッターが良いかな?」
部屋でぐずぐずしていると、またすぐに台所から声が聞こえる。
「何してたの、今まで出てこなくて! スープもみんな冷めちゃうわよ。」
本を持って食卓の前に来たが、トイレにさっと入っていく。
トイレのドアの外でお母さんの小言が聞こえる。
「もう、お前だけ、弟はご飯食べるのに、なぜそうなの。」
疲れた表情で椅子にドンッと座った。
お膳を見るとため息が出てきた。
食卓の上にキムチ、じゃこ炒め、切り干しダイコン、海苔がのぼっていた。
お母さんは私の茶碗にご飯を山盛りに、おわんにワカメスープを溢れるほどついだ。
「お母さん、娘を育ててるの、ヤギを育ててるの? すっかり草むらじゃない。
それに暑いのに何でワカメスープなの? わっ、ご飯なんでこんなにたくさんついだの!」
「そのくらい、ほんの数口で全部食べられるでしょう。」
「じゃあお母さんがそうやって食べてみてよ。」
食卓の向かい側で不満を言っているとすぐに、額にデコピンが飛んできた。
「食事の仕度をするわけでもないのに、こんなに文句ばっかり言って! スプーン一つ持つのがそんなに大変なの!!」
子供を産んで育ててみたら、私がお母さんのようなありさまになった。
息子にご飯食べさせることは一種の戦争だった。
市場に行って買い物して、洗って、整えて、調理して、よそって食べさせるが、こいつがなかなか口を開けてくれない。 前で私が面白いしぐさをしたり、遊んであげて、少しずつ食べ始める。 一口食べるたびにどれほど感謝することか。 これは本当に私が感謝することなのか? 本人が感謝することなのに。 とにかく、子供にご飯を食べさせるたびに大体、子供に感謝できないようなことが演出される。 ホントにこの子ったら・・・
「お母さんが準備してくれたご飯をちらりと見てイヤイヤするの? あなたが大きくなれとご飯をあげるのであって、私を好きになれとご飯をあげるのか?」
神様もおっしゃる。
「あなたたちがしたことが何だというのか?
天地を創造し人間を創造して人が生きる準備をすべてしておいたのにあなたたちは何をしたのか?
私が日を創り、月を創り、地球を創って山と水と植物を創った時、何か一つでも創ったのか? 私があなたたちのために、前もって100%みな創っておいた。 私の創ったものの上で私が作ったものを享受して、私を信じて、私が遣わした人を信じ、愛して、良い暮らしをしなさいというのに、それもできないのか?」
お母さんが私に、
私が息子に、
神様が私たちにおっしゃる言葉、
「食卓にぜんぶ準備してあげたのに、スプーンを持ってご飯も食べられないのか?」