ひよこ科学者の科学コラム。科学を時代の御言葉で再びスポットライトを当ててみる新概念の科学コラム。
宇宙を理解する特別な存在
アインシュタインの代表的な業績としては、相対性理論がある。これは、天動説的世界観を地動説的世界観に覆したように、ニュートンが定立した既存の宇宙観を覆す画期的な理論であった。
しかし、天才科学者である彼も「私たちはまだ自然が見せてくれた姿の10万分の1も知らない。」という言葉によって、人間が宇宙について知っている知識は極めて少ないということを告白している。アインシュタインは宇宙について多く知っている分、疑問も多かったようだ。彼が持っていた疑問の中で最も理解できないことは何だったのだろうか?
この宇宙で最も理解できないのは、それが理解できるということだ。-アインシュタイン
宇宙に比べれば地球は点と同じで、地球に比べると人間は点のように小さい存在である。人間は点のように小さい存在だが、ニュートンの万有引力の法則やアインシュタインの一般相対性論のような重力理論によって、惑星の公転や彗星の循環周期などを精度よく予測することができる。
4次元世界である万有引力の法則の発見
万有引力の法則は、すべての万物の間で相互に引き寄せる力があるという事実をいう。すべての物体を地面に引っ張る力があるという程度は誰でも簡単に認知することができる。しかし、このような感覚を拡張させて、万有引力という概念に到達し、天体の運行を説明するということは驚くべきことである。一般相対論では、4次元時空間の歪みによって重力を説明する。
幾何学において、線は1次元、平面は2次元、空間は3次元である。人間は、3次元の世界で生きているので、3次元とその下の段階である1、2次元は、比較的容易に理解できるだろう。しかし、空間より高い次元の4次元以上の世界はどのような形を持つ世界であろうか?人間が経験と認知の限界を超えて4次元以上の世界を発見したことは実に驚くべきことである。
人間はどうやって手につかめもしない万有引力の存在を発見することができたのだろうか?経験もできない4次元時空間で起こる現象をどうやって発見することができたのだろうか?アインシュタインの言葉のように、実に理解できないことである。ブラックホール理論に多大な貢献をしたイギリスの物理学者スティーブン•ホーキングも、次のような言葉を残した。
私たちは、サルから進化した存在に過ぎないだけでなく、生きている所も、およそ小さな惑星にすぎない。しかし、私たちは宇宙を理解することができる。私たちが特別である理由は、ほかでもなくそのためである。
- スティーブン•ホーキング
人間と動物の違いを物理学の立場から見る
「猿が人類の祖先なのか?宇宙で生命体が生きている場所は、地球が唯一なのか?」というような質問はひとまず置いておき、彼が物理学者として考える、人間が特別である理由に注目して欲しい。人間が動物に比べて、どんな面が優れているか物理学の立場から見てみよう。人間は動物よりも知能が高い上に、宇宙の法則を発見して応用し、宇宙の起源を探求する。
太陽と月と地球上で適用される普遍妥当な力の原理を発見し、建築と工学へ応用し、空には人工衛星を浮かべた。4次元時空間の世界、素粒子のように見て、聞いて、触れることができない領域までも思考を拡張して基本的な原理を発見し、様々な応用技術を開発している。
人間が宇宙を理解できるということは何を意味するのだろうか?物理学者たちは、物理学の法則を通して宇宙を理解する人々である。したがって、アインシュタインが理解できなかったことは、宇宙に存在する法則が人間によって発見され、発見された法則が人間が理解できる形で表現できるという事実だったのだろう。
人間が物理学を研究できるということ自体が理解できなかったのかもしれない。天才科学者二人が投げかけるこの質問は、科学自体で解決されるよりも哲学と神学の助けを借りて解決されるべきだろう。この後に続くいくつかの文章を通して、二人の科学者の質問に対する聖書的な答えを探ってみよう。